星新一「生活維持省」と「イキガミ」

2011年1月5日

books/comics diary

ちょうどテレビでやってて、番組案内見た瞬間に「生活維持省」を思い出した。
なので、それを元にした映画なのかな、と思って調べてみたらなにやら盗作だの何だのになっているらしく、Yahooの意識調査もされてた。

……意識調査の結果と同じことしか言えないかなぁ。

星新一のショートショートなんて、もの凄い量があるんだし、もはや設定やプロットの倉庫みたいなもの。話そのもが設定のおまけみたいなものでもあるし。
なので、まったく関係しない設定を考え付くほうが難しいような気がする。
手塚治虫やその他「偉大」と言われる小説家や漫画家の作品からまったく影響を受けていません、って方がむしろ怪しい。

なら最初から「星新一先生の設定に影響を受けました」と言っておけばいいのに、と。
この辺り、Yahooの意識調査の回答とほぼ同じ感想。

Wikipediaによれば、イキガミ作者の間瀬元朗は1969年生まれ。愛知県立半田東高校出身。
受験した時期や高校生だった自分と時期が近いため、凡そ半田東がどんな高校でどれくらいのレベルの人間が進学していたかという認識はある。原作者が通っていた頃と大差ないと思うけど、うーん……どうかなあ。
星新一に限らず、小説を読まないような国語力で受かる学校でもないし、当時あそこに行くくらいのレベルの生徒なら小学校の時点で星新一は相当読んでると思うんだけど。
小学校の学級文庫に、「カモメのジョナサン」や「十五少年漂流記」と並んでまず間違いなく置かれていた時代ですよね。

もちろん、確実じゃないし根拠もないから単なる推測には過ぎないけど……「生活維持省」を、原作者だけでなく担当者も知らないなんてのはとてつもなく怪しい。

逆に、星新一の「ボッコちゃん」を読んだこともないような人間ばかりなの、小学館って?「イキガミ」の制作・出版に関わってるのって担当一人じゃないでしょ?

星新一公式サイト側だって、いちゃもんつけようとか思ってるわけじゃないと思うんだよねぇ。
最初から「生活維持省が記憶の底にあり、プロットを考えた時に影響を受けたと思います」って言っていれば問題にはならなかった気がする。

小学館って、前にも記事で書いたけど自分たちがパクルことに対してはとても対応がマズイよね。それなりの企業なんだから、対応マニュアルくらい作っておけばいいのに。


あ、ここまで書いといて何ですけど、どっちがいいとか悪いとか、面白いとか面白くないとか、「イキガミ」を読んでないのでわかりませんし、読もうとも思ってないので結論付けようという気もありません。

ただ、何となく思ったので書いただけ。