性差別って何だ?

2017年2月1日

diary

「女性なら社会問題になる事案」 “男性保育士に女児の着替えをさせない”は差別か、千葉市長が問題提起し議論広がる

要約すると「男性保育士が娘を着替えさせるのはやめて欲しい」という保護者の要望に対して、千葉市長が「それは出来ない」と拒否したということ。


千葉市長が答えている、
「着替えや排せつは保育士にとって便の様子や皮膚疾患など、健康状態のチェックや虐待の形跡を早期に発見する上で欠かせない」
「“男性は性犯罪の確率が高いのだから差別ではない”という考えを適用すれば、所得や国籍を元として犯罪率の高い層がさまざまな業種から排除される」
「保育士による小児性愛事件という極めて小さな確率の事例で、現代社会では許容されない」

これらは、保護者や擁護派がグゥの音も出ないほどの正論で反論の余地がない。冷静かつ現状の課題と対応を見据えた反論で、若いながらも政令指定都市の首長を務めるだけはある。

確かに、ニュースで頻繁に教員が性犯罪を犯したことを知らされては、保護者も気が気ではないだろう。それはよくわかる。
ただ、そういった一部の例外を原則と拡大認識してしまうのは行き過ぎであり、その要望が通ると思っている保護者の常識または良識を疑う。「皆が言ってるから」という子供の理屈と何ら変わらない主張をして、人の親として恥ずかしくないのだろうか?

犯罪白書の数字を見る限りでは、たしかにあらゆる犯罪に於いて男性加害者の割合が圧倒的に多い。軽犯罪や交通犯罪でもそうだ。特に今回、保護者が理由に挙げる性犯罪のうち強姦罪に至っては男性加害者がほぼ100%である。

当たり前の話で、日本の刑法では強姦罪は男性加害者、女性被害者に限定されているからだ。もちろん条文上では女性も加害者に成り得る。男性を唆して一緒になって別の女性を主体的・積極的に強姦した場合などのように。
ただこれは極稀なケースであり、所謂「痴女」のように女性が男性を犯した場合は強姦罪ではなく強制猥褻罪となる。ではその事例では女性が多いのかと言われると、もちろんこちらも男性加害者の方が多い。
ありとあらゆる犯罪は男性の方がより多く犯しているのだ。これは歴然たる事実。
ではだから、男性はあらゆる社会行動から排除すべきなのか。
男性の方が性犯罪率が高いのだから、その可能性のある保育の現場で女児の着替えをさせるべきではない
なるほど数字上では確かにごもっとも。
では、
男性の方が信書開封罪の犯罪率が高いのだから、郵便局や宅配便への就業を制限もしくは取り締まるべきだ
は正しい主張だろうか?
ありとあらゆる犯罪率が高いのだから、ではこの社会を女性だけで回して貰えるのだろうか?
そんなものは極論だ、と言うのなら一部の例外的事例を手に男性保育士の職務を制限しようとしている保護者や擁護者も、自分の論を振り返ってみて欲しい。

そもそも、犯罪の検挙数が必ずしも実態を表しているとは言い切れない。
例えば交通犯罪だが、男性の加害者率が高いのは単純に運転者の母数が多いからというだけに過ぎない。その理由は、外勤営業として運転する率が明らかに男性の方が高い、運転手として働く率も男性の方が高い、そう言った社会的事情とは別にジェンダー的な観点から男性と女性が一緒に車に乗る場合、男性がハンドルを握ることが90%を超えているのだから、男性の交通犯罪率が女性より高いのは判断力だの意識の問題だのの前に「数字上から見て当たり前」のことでしかない。

とまあ、こんなことを書いている間にも、

こんなことも。
とかく男性が生きづらい世の中になったもんだ。