不徳のギルド

2026年4月23日

animation books/comics 不徳のギルド

 
2022年のアニメなのでだいぶ経ちますが、原作ファンなので未だにBDは見直しているくらい出来が良かったと思うのです。

不徳のギルド(TOKYO MX)

計算された原作と1クールの限界

あまり評価が高くないようだけど、確かに原作知らずにアニメから入ると「少しエロなギャグアニメ」と思ってしまうかも。

それもそのはず、作者の計算された構成で一読では気づかないけど印象には残るように伏線が張り巡らされ、徐々に世界観やキクルのことがわかるようになっているからです。
しかも、合間合間にギャグのみの回(巻)を挟んで読者が「待てよ、これは重要な伏線なんじゃないか」と立ち止まって考え込まず、真っ先に「キクルてめぇ」と思うように誘導されています。

その流れをアニメに落とし込むと、


こうなってしまい、1巻から5巻真ん中で終わってしまっており、物語の核心に迫っていく直前なんですよね。
原作自体の魅力が、アニメの1クールに落とし込むことによって最大限には引き出しきれなかったという皮肉な結果に。
それでもアニメ単体での出来も相当良かったと思います。

アニメ「不徳のギルド」は凄い

そう、それでも凄いんですよこのアニメ。

まずなんと言っても原作再現度の高さ。異常と言っても良いレベル。
それなのにちゃんとアニメならではの、つまり動きがあるということをちゃんと生かしてオリジナル性も出している。

例えばアニメ第10話の「揺れる想い」で、
 キクル「はぁ……難儀だ」
 ハナバタ「えっ?」
のシーン。


原作のコマでは、

©️『不徳のギルド』河添太一(スクエアエニックス・2019)

ここ含め、セリフなどはほぼ100%と言って良いほど原作を再現している。

でもちゃんと原作で不安げなハナバタを印象づけるためにひたむき、メイデナ、トキシッコが台詞だけになっているコマを、

©️『不徳のギルド』河添太一(スクエアエニックス・2019)


それぞれが話しながら動くという、原作では読者が脳内補完している部分を映像にしている。
このアニメスタッフは本当に優秀だなあと感心してしまう。

声優やオープニング、エンディングなど

原作ファンがアニメ化と聞いて真っ先に心配するのは、やはり作画崩壊。
これについては前述の通り、完璧にこなしてくれたため原作ファンは狂喜乱舞レベル。

次に声優がイメージに合うかどうか、じゃないでしょうか。
これについてもほぼイメージ通りでした。
キクルは特に突っ込みが本領のキャラなのでそのシーンでの演技力が重要だと思いますが、これが素晴らしかった。

ひたむきは登場時から、ああこれだな、と思ったしトキシッコのアンニュイな喋り方も上手でした。ハナバタの戦士職という戦いにおける態度と内面の少女趣味の差もうまく表現できていたと思うし、ノマやエノメさん、レスミス、ハウンズなどノーキンス家の使用人に至るまで「なんか違う」ってのはなかったですね。

唯一、メイデナが思ったより甲高い声だなと思ったものの、キャラや設定年齢、性格を考えれば納得。違和感というほどでもなかったですし。

トキシッコ役のクレジットで「大地葉」という文字をどこかで見たな、と思ったらまさかのガールズ&パンツァー・ペパロニ役。全然違うキャラじゃん、凄いな声優。

オープニングはなかなかサイケな演出で度肝を抜かれたけど、これも雰囲気は合っていて良かった。歌っているのがこれまたガルパンでお馴染み佐咲紗花。


エンディングは往年のPCゲームファンにはお馴染みの栗林みな実、この人も息が長いなあ。
12話でひたむき、メイデナ、トキシッコ、ハナバタ、ノマが歌っているバージョンが好きですね。キャラクターソングらしくて。

これは完全に原作ファンへのサービス。
テレビアニメだけ見ている人は「真ん中のは何だ?!」としか思わないのではなかろうか。

原作はどうなるか

17巻はもうね、「キクル爆ぜろ!」な展開でしたが、いやいやもちろん「キクル報われてよかったね」派ですけど。

最後のサンが面白かったし、宣伝部長が可哀想と思われるくらいの罰受けて帳尻合うしで相変わらずだったけど、こうなってくるとそろそろ佳境なんですかね。
だいぶ世界のこともキクルのこともわかってきたけど、まだまだ不明な部分が多い。
それなのにキクルが爆ぜる展開になってきているので、パーティメンバーとの関係も気になるところ。結局のところトキシッコはどうなんだろうか。

自分が死ぬまでには完結して欲しいけど、逆に言えばそれくらいは続いて欲しいとも思う、近年稀に見る傑作漫画なので、ぜひ大勢の人に読んで欲しい。

あ、いや人を選ぶかな……。

その他の良作

Kindleで勧められるのがなろう系のコミカライズだらけで辟易しています。

正直ね、なろう作者って陰キャ中学生かこじらせ中年しかいないんじゃないかと疑っているんですよ。だって、そういった人間の妄想ばっかりじゃない?

俺だけ、もう遅い、今さら、最強、内政、農業、のんびり、もふもふ……うんざりです。

注目しているのは、

  • ロードマギアの弟子
  • ジュミドロ
  • 戦奏教室
  • くびしょい勇者
  • ふたりバス
  • ケントゥリア
  • ダンジョンの中のひと
  • ダンジョンの幼馴染
  • 戦姫サバイバルサガ

ファンタジー系ばかり買い漁っていると、お勧めになろう系が出てくるんだよなあ……。