失われた10年世代

2008年12月29日

diary

先日会社の同期(中途入社組なので、同期というよりは単純に同年代と言った方がいいかも)と話していた時のこと。

らいる(以下「ら」)「そういやうちらの時代って就職氷河期の入り口だったよね」

同僚(以下「同」)「そうだっけ?」

とまあ、ここで「あれっ?」と思ったわけですが。

ら「いやほら、ちょうど上の人たちがバブル崩壊の年に就職だったじゃん」

同「じゃん言うな。……んー、まあそうだったかも知れないけど」

ら「なんか反応薄いな」

同「しょうがねぇよ、バブルだ崩壊だなんてあんまり実感なかったもん」

ら「いや、もん言うな。そりゃバブルの実感はなかったけどさ、就職が辛かったのは実感あるんじゃない?」

同「あー。お前浪人しただろ。俺現役入学だから」

ら「……氏ね。いいから氏んどけ」

いやまあ、なんていうか、確かに大学生じゃあ、バブル景気の恩恵に預かったとは言えないわけでして。よく覚えてはいないんですが、バブル崩壊の年はそれなりに就職もきつかったでしょうけど、直後だっただけに少しはマシだったのかな、と。ただ、1993~2002に就職活動を行った世代としては少しくらい共感して欲しかったのも事実。

そんな訳で同僚とバブルとその後の世代についてちょっとだけ話してたんですが、一致していたのは、

「バブル景気時に入社してた奴らには碌なのがいない」

ということ。
もちろん、一概には言えないし、その頃の入社組にしても有能な人たちが今の日本経済の中心で頑張っているんだと思う。
ただ、周囲にはそれが当てはまる、というだけのことで、それでも実際これに同感できる人は割といるんじゃないかな、と。

38~45歳くらいで、恐らく課長クラスの人間。
いやはや、仕事ができないことできないこと。
どんなレベルの大学でも楽に就職できて、しかもかなりの高給でスタートしたものだから、厳しい現実に突き当たったことがないんじゃないか、という人がものすごく多い。要は逆境に弱いというか、問題解決ができないというか。
部下のとってきた新規案件を平気な顔して横取りしたり、自分の顧客がマズイ状態になったりすると何の理由もなく担当換えをしたり。
その割に金離れが悪い。ぶっちゃけて言うとケチ。

ちょうどその話をしていた時にあったこと。

ら「課長、この顧客の件なんですけど」

課「ああ、それか。それは君の担当だからすべて任せてあるだろう。責任持って最後までやってくれ」

ら「や、それはわかってますしやりますけど、どうしても上に繋ぎが取れないんで、課長の肩書きで相手を引き出したいんですよ。同行して貰えません?」

課「……どんな提案してるんだ」

ら「~~(説明中)~~とまあ、これで粗利40は確保したいな、と。そうなると~~(説明中)~~という問題をクリアしないといけないんで、そこは先方では部長クラスの決済なんですよ。なのでまずは……」

課「それなら部長に頼めばいいじゃないか」

ら「一足飛びに平が部長に頼めないでしょう。それにこれはうちの課長決済の範囲内じゃないですか。だからまず課長に現状把握を含めて一度同行を……」

課「それは君、責任逃れだよ」

ら「……は?」

課「君の担当なんだから、すべて処理できる範囲内で商談をまとめるのが仕事だろう」

ら「あの、そうすると利益が」

課「利益なんか落ちても構わないから」

ら「……え?」

いやもう、何て言ったらいいのか。
それなら課長はいらんだろ、と言いたい気持ちを抑えるのに一苦労。

また、とある日の出張先からの電話で、

ら「はい、らいるです」

課『お疲れ様。○○だけど』

ら「あ、お疲れ様です」

課『今大丈夫?』

ら「5分くらいなら大丈夫です。(次のアポの時間も報告してあるだろうがよ# 部下のスケジュール見ないんだったら報告させんな、ボケ)」

課『あのさ、○○社の件で80万の見積もりが出てるんだけど』

ら「はあ」

課『これでいいかどうか、○○社に連絡取って貰えないかな』

ら「はっ?!」

課『いや、アレだったら見積もり作ってメールで流してもらってもいいんだけど』

ら「いや課長、私が今出張中だって知ってますよね?」(←さすがにもう遠慮がない)

課『ノートPC持ってるでしょ』

ら「自分のですけど?」

課『会社のメールとか設定してないの?』

ら「してるわけないじゃないですか。あくまでも商談に必要な事前情報を調べたりするためだけですから」

課『メールもできないわけ?』

ら「それしたいからセキュリティがちがちでいいからノート買ってくれって言ったらダメって言われたじゃないですか」

課『いや、自分のメールとか』

ら「……自分のメールで取引先に見積もりを流せ、ということですか?」

課『できないの?』

ら「いえ、できるできないという問題じゃなくて……あ、そろそろアポの時間なんで」

ていうかそのお客さん、課長の客なんですけど。
話の内容そのものがもう、何がなにやら訳がわからなかったんで商談終わってからも放置してたら事務員から電話。

ら「おう、お疲れー」

事『らいるさん、聞いてくださいよ』

ら「いきなり怒られても」

事『課長が私の名前で見積もり流せとか言ってきて、メールさせられたんですけど』

ら「はい?」

事『らいるさんが断ったんですよね』

ら「あー……さっきのか」

事『なんで私がメールしなきゃいけないんですか!』

ら「いやだから、私に怒っても……」

確かにね、見積もり金額が高いってのはあったんですよ。
先方から「おいおい」って言われるだろうなあって予感はありましたよ。私にも事務員にも。
だからと言って逃げてどうする。
ていうかその前に交渉しろや。


さて、我が社には課長が数十人いますが、恐ろしいことに全員このレベル。
そしてその全員が、38~48歳に収まる。
更に平社員と係長を合わせた数よりも、課長の方がまだ多いという恐怖。


……そろそろ本格的に転職考えないとなあ。